風俗嬢として学ぶべきこと

 お客さんが遠くへ転勤することになりました。
 まあ、沢山の指名客の内のひとりじゃないか、と自分で納得させようにも、どうにもこうにも、心がついてきませんね。

 最後もヘラヘラ笑い合った。いっぱいはしゃいで、いっぱいエッチなプレイを繰り返した。
 お互いに、これが最後では、と思っていた。
 なのに、卒業の時は会いに来たいから、教えてくれと言う彼。いつものおどけた彼らしくなかった。
 私のあげたプレゼントを大切に抱えて、元気に去っていく姿を見送って、ものすごい泣いた。

 一度もキスしなかったな。
 
 一度も連絡先、訊かれなかったな。

 でも、愛を貰った数年間でした。 

 最高でした、と店にメールを貰って、驚いて、また泣いた。
 もっとドライな人だと思っていたから。

 私は間違っていたんじゃないだろうか、と不安になった。彼に、もっといろんなことをしてあげられたんではないか、もっと幸せにしてあげられる女の子は他にいっぱいいたんじゃなかろうか、どうして私に通ってくれたのか、なんで最後に真面目に気持ちを綴るメールなんかくれるのか。どうして。
 お客さんの本当の心は、こうして後々気付くばかりです。
 通ってくれることが「答え」なのだろうけど、それに気付かずに接客していると思う。というか、それを認識するのは怖いからフィルターをかけているんだと思う。
 
 ほんまに幸せを貰ってばかりです。私なんかに勿体ないです。
 できることは、今いるお客さんをもっと大事にすることやなと思う。私のような汚れた女に、できることなんか限られてると思う。でも、ちゃんと頑張りたいです。やれることを丁寧にやるしかないと思う。馬鹿高いお代を頂いているんだから。

 お客さんと割り切ることは難しい。好きな人はほんとうに好きだし、さよならは嫌だ、会いたいと思う。
 でも、ちゃんとラインを引いておかないと、お互い不幸になるから、その上で出来る最大の仕事をしなくてはと思います。それが相手を思いやることだし、自分を大切にすることだと思う。
 自分を大切にすることは、高いお金を払ってくれるお客さん一人一人への礼儀だと、最近強く思います。
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神は乗り越えられる試練しか与えない、という残酷だけど力強い結末

 日曜日、ドラマ「仁」が本当の最終回を迎えましたね。

 私の想定内で「一番嫌だった結末」に収束してしまいました。けれども想定外の最高の出来栄え!! それには文句のつけようもなく、余計に腹立たしい気持ちで今これを書いています。
 腹立たしいと感じる矛先はドラマではなく、あの壮大な結末に納得しきれない自分に向けてなんですけどね。
 ラスト数十分はおそろしくて悲しくて、涙も震えも止まらなかった。

 で、たった今「仁 最終話」とネット検索をかけたところ、私の稚拙な文章よりよっぽど分かりやすい代弁者のブログを見つけたので、記事URLをそのまま貼ることにしました。どれもこれも「そう、そう!」と共感し、伝えたいことがもう綺麗に文章化していることに安らぎを覚えました。それを読むまで止まらなかった消化不良の黒い涙も、記事を読んだ後は少しだけ浄化された気がします。書く手間も省けたし……なんて。(今から仕事なのであわや遅刻するところでした。これで仕事に間に合う。ホッ)

 良かったら一読&みなさんの感想、よろしくお願いします。
 ↓↓↓↓↓
 ドラマ「仁」最終回まで面白い!でも・・・
 
 「かりんのひとりごと」ブログより抜粋 http://love.mania.daa.jp/


 追加:現代に戻された後にパラレルワールドに移動したのでは……という解釈も、ミキと再会シーンの仁先生の反応も、血筋のことも全て含め、私は彼女の解釈(多少の疑問)と全く同じです。ただ、平成22年の硬貨については初めて気付きました。映画続編の予告かと勘繰ってしまう。咲のいない「仁」は観たくないけれど、もしやるなら絶対観に行くと思う。

吉田修一の女はあまりに美しい

 読むと面白すぎて腹が立つので、吉田修一さんの小説は読まないようにしていました。

 映画「悪人」を観終えて、興奮の最中に「原作・脚本――吉田修一」と流れたテロップには、身体の力が抜けた後、やっぱり腹が立ちました。あーあ、本買いに行こうかな!
 たとえば彼が風俗嬢の話を描いたなら、私は読みません。そんな勇気ないです。


 (※ここからはネタバレが含まれます。)


 それにしても私は優しい女に目がありません。深津絵里演じる「光代」が悲しくなる程のいい女で、私の中の「忘れられない女」に数年ぶりにランクインしました。
 
 妻夫木聡演じる「祐一」もほんとうによかった。
 愛しい人の毛布に鼻をこすりつけるシーン、寒さに震える彼女の名前を、あまりに優しくよぶシーン。これまで永遠かと思われた孤独の中で、人と向き合わずに生きてきた彼が、とても丁寧に人を愛する場面には凄みさえあった。妻夫木くん、ただの男前タレントだと思っていたので、アンタ実はどんな過去を生きてきたんだよ(涙)と、今は彼が気になって仕方ありません。

 監督も役者も原作者も、本当の孤独を知っていないとあんなものは作れないと思う。
 レビューを読むと意見は分かれているようですが、私には久々、文句なしの最高傑作でした。「どこが面白いの?」と仰る方は、こう言っちゃなんですが、「孤独を知らないとは、喜びも半分しか知り得ない不幸者だな」と思ってしまう。
 (いや感性はそれぞれなんですけどね、すみません。ムキになってしまうということです)


 私は光代みたいな女でいたい。優しい彼女の目で見る世界は、どんなに美しいんだろう……なんて思います。
 ラストの祐一の決断のように、自分を排除してでも愛する人の幸せを本能で願う人間でありたいです。どれほど傷つけて憎まれようとも、その人の幸せを想像するだけで、嬉しくて綻んでしまうような悪人。かっこいいじゃないか。

 そんな愛しい世界で生きている人の見る「世界」と、私の目で見た「世界」はきっと違う気がする。


 とにかく、まさかの原作者テロップには大ショックでした。(よく考えれば世界観が彼独自で、「やっぱりかい」って感じでもありますけど……もっと早く気付けよ!)

 吉田修一さん、やっぱ、素晴らしいです。 

献身についてのたわごと

 ――こんなふうに寒い夜は、さみしがりやなあの人を、傍にいる誰か、どうか、あたためてあげてね。


 何の作品かは覚えていません。離れざるを得なかった恋人を想う女性側の台詞です。

「どうかあたためてあげてね」は、「私の代わりに彼を幸せにしてあげてほしい」という意味ではなく、「私の大切な寂しがり屋な彼と、今日も明日も寝てあげてほしい、私は傍にいてあげられないから……」という意味合いだったことに、心底驚いた記憶があります。

 なんて献身的なお言葉!
 凄いなと思いました。 
 惚れた人のことを考える時に、普通そこまで自分を排除できるものでしょうか??


【正しい一般回答】

 「彼とずっと一緒にいたい!」(彼にとっては束縛かもね)

 「今すぐ傍に行ってあげたい!」(迷惑かもしれないのにね)

 「彼のためになにかしてあげたい!」(ほっといてあげてね)

 「彼に抱かれたい!」(彼は誰でもいいかもね)


 私はたまに皮肉屋なので、友人の彼の話を聞いていても「実はお前ストーカーだろ」と、あろうことか友を疑ってしまうことが多々あります。(実際は恋人同士)
 けれどもそれは、彼女たち(時に私自身)が、あまりにも「彼に愛されたい!」と思う気持ちが前に出すぎていて、それは結局自己愛にすぎないと、悲しむ要素が見え隠れするところに原因があります。


【冒頭の回答】

 「私が傍にいてあげられない夜、彼は寂しさに耐えられないかもしれない。もしもそんな夜に居合わせたあなた、どうぞ私の彼とセックスしてあげて下さい」





 ェー




 
 愛ってなんだろうなぁって思います。本当。
 セックスしてあげて下さい、は多少言い過ぎかもしれませんが、要は自分を排除できることに、愛があるのかもしれないですね。恋愛が絡むと、「相手に思い通りに動いて欲しい」って心底思うことがあるもん。今キスしてよ! とか。今日会いに来てよ! とか。結婚してよ! とか。
 あと、好きじゃないのが「あなたのために死ねる」って言葉。

 迷惑だろ。

 大切な人がいるなら、しがみついてでも生きろよと思う。受け入れられない辛い現実、たとえば冒頭の「ほかの女とセックスする彼」を知っていても、変わらずに愛し続けられたら、すごいなと思う。意地かもしれないけれど、意地でも凄いと思うよ。
 誰かのために生きることは愛だなと思う。


 まー結論、「好きすぎて死ねる」と言ってしまうような女(私)には、献身的に人を愛することが無理ってことです。貢ぐのは愛じゃない。貢いだ見返りに、深く彼に食い込みたいだけだから!!(声を大にして言うことじゃない)



 ※※冒頭の台詞と解釈は大昔の記憶なので、正直アテにはなりませんが、作品に心当たりのある方がいらっしゃれば、どうか教えて下さい

疑問だ

 ふと一人になった時、もう誰でもいいから今のだらしない私をとことん罵倒するか褒めちぎってほしいと思うことがある。でも違う、やっぱり誰でもいいわけじゃなくて、どこかで心を通わせた誰かがいいと思ったり、できればその人にさびしい夜は抱きしめて欲しいと思ったりする。
 その人が今後も一番大切な人になればいいなと思う。

 私たち風俗嬢はそんな役割の仕事だなと思う時がある。射精するだけじゃ寂しい人が、付加価値を求めてお金を出してくれる。
 
 笑顔でこんにちは。
 素敵な洋服ですね、優しそうな方ですねと人を見て適当にけれど熱心に褒める。褒める褒める。
 物欲しそうな顔でこちらからキスをせがんで、抱きしめ合って、股間をいじる。
 いっぱい見つめて抱き合って、世界にあなたしかいないと言うほど求めて身体中を嘗め回したりする。
 射精後だって、ずっとずっとずっとずっと傍にいる。褒める褒める。
 寂しい寂しいと手を振って別れる。

 60分勝負でうまくいけば暫く忘れられない女になれる。(実際そんな単純作業じゃないけれども)私、男だったら絶対風俗嬢に恋してると思う。単純だから誰よりハマるしとことん散財するね。あ、でもホストなんかは興味ない。演技下手そうで萎えるわ。って、ホスト経験ないのに適当なこと語ってごめんなさい。

 何が欲しいんだろう
 ずーっと演技してて空しい(大好きなお客さんだっているけど、相手が求めるのは素の私じゃない)
 お金を貰っても空しい、どうせ貯まらないし 貢ぐし多分 かえってこないし
 からっぽ
 みんなどうしてるんだろうって、いつも疑問だ
プロフィール

安藤奈緒子

Author:安藤奈緒子
関西の風俗嬢で小説書いています。読んで頂ければ分かると思いますが、基本だらしない女です。

メール:naoko_ando●ares.eonet.ne.jp ●→@

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